SWOT / TOWS / PEST / 5フォース / バリューチェーン / VRIO / BCG / BSC / PDCA
経営戦略の立案に欠かせない分析フレームワークは試験頻出のテーマです。 SWOT・TOWS分析による内外環境の統合分析から、 PEST分析・5フォース分析による外部環境分析、 バリューチェーン・VRIO分析による内部資源分析、 そしてBCG・BSC・PDCAなどの管理ツールまで、 これら分析手法を体系的に理解することが、応用問題への対応力につながります。 このページでは、試験で問われやすいポイントを中心に、各フレームワークの定義・活用法を整理します。
経営戦略とは、「限られた経営資源を最適に配置し、競争優位を構築・維持することで、 企業の長期的な目標を達成するための総合的な計画」です。よく混同される概念として、 経営計画・戦略・戦術の階層を整理する必要があります。
| レベル | 内容 | 時間軸・範囲 | 例 |
|---|---|---|---|
| 経営計画 | 企業全体の方向性と目標 | 3〜10年単位 | 「5年で売上2倍」「グローバル展開」 |
| 経営戦略 | 計画を達成するための競争優位の構築方針 | 3〜5年 | 「コスト削減で競争力確保」「技術差別化」 |
| 経営戦術 | 戦略を実行するための具体的施策 | 1年以内 | 「生産工程の自動化」「営業体制の強化」 |
SWOT分析は、企業を取り巻く環境を4つの要因に分類する最も基本的なフレームワークです。 Strengths(強み)・Weaknesses(弱み)・Opportunities(機会)・Threats(脅威)を整理します。
| 内的要因 | 外的要因 | ||
|---|---|---|---|
| S(強み) | W(弱み) | O(機会) | T(脅威) |
| 自社の競争優位性 | 改善が必要な領域 | 市場の成長機会 | 市場を脅かす要因 |
| 例:高い技術力、ブランド力 | 例:低い収益性、弱い営業網 | 例:新市場開拓、需要増加 | 例:新規参入、代替品出現 |
SWOT分析の結果を組み合わせることで、4つの戦略オプションを導出します。これをTOWSマトリクスと呼びます。
外部環境分析を行うための主要フレームワークには、PEST分析(マクロ環境)と 5フォース分析(業界競争環境)の2つがあります。
企業を取り巻く政治・経済・社会・技術環境を分析します。産業全体に共通する外部環境変化を把握するのに有効です。
| 要因 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| P(政治) | 政府政策、法規制、政治体制 | 消費税増税、規制緩和、選挙 |
| E(経済) | 経済成長率、金利、為替、インフレ | GDP成長、円安、原油価格上昇 |
| S(社会) | 人口動態、文化、価値観、ライフスタイル | 高齢化、環境問題への関心、SNS普及 |
| T(技術) | イノベーション、新技術、デジタル化 | AI、ブロックチェーン、IoT普及 |
業界の競争構造を分析するフレームワークで、業界の収益性を決定する5つの競争要因を整理します。
PEST:マクロ環境(全産業に共通)を見る。5フォース:特定の業界の競争構造を掘り下げる。両者は補完的に使う。
内部資源を分析するために、企業の価値創造プロセスを細分化して分析するのがバリューチェーン分析です。 その資源がどの程度競争優位を生むかを評価するのがVRIO分析です。
企業が原材料調達から最終顧客への販売までの価値創造活動を「チェーン」として捉え、 各段階でどの程度付加価値を生み出しているかを分析します。
企業資源が競争優位を生み出すかを判定するフレームワークです。 4つの基準で評価します。
| 要素 | 意味 | 判定ポイント |
|---|---|---|
| V(Value) | 価値 | 顧客にとって価値があるか。競争優位につながるか。 |
| R(Rareness) | 希少性 | 競合他社が保有していないか。模倣されにくいか。 |
| I(Imitability) | 模倣困難性 | 容易に模倣されないか。時間・コストがかかるか。 |
| O(Organization) | 組織 | それを活かす組織体制・人材が揃っているか。 |
事業ポートフォリオを管理するための実務的ツールとして、 BCGマトリクスとバランスト・スコアカード(BSC)が活用されます。
事業を4象限に分類し、資金配分や戦略方針を決定するツールです。
| 高い市場成長率 | 低い市場成長率 | |||
|---|---|---|---|---|
| 高シェア | スター | 高い成長性。資金投下すべき事業。 | 現金牛 | 安定した利益源。維持・防衛の対象。 |
| 低シェア | 問題児 | 市場は成長だがシェアが低い。投資判断が重要。 | 犬 | 低成長・低シェア。撤退の候補。 |
財務指標だけでなく、複数の視点から経営業績を測定・管理するツールです。 4つの視点のバランスを取ることで、戦略を総合的に実行します。
財務業績は遅行指標(結果を示す)。BSCは先行指標を含み、戦略の実行状況をリアルタイムで把握できます。
戦略を継続的に改善・実行するための管理サイクルとして、PDCAサイクルが基本となります。 その中でKPI(重要業績評価指標)の設定とベンチマーキングが重要です。
計画(Plan)→ 実行(Do)→ 検証(Check)→ 改善(Action)のサイクルを回し続けることで、 組織の継続的な改善を実現します。
| 段階 | 内容 | 活動例 |
|---|---|---|
| P(計画) | 目標設定・戦略・施策の立案 | 売上目標の設定、新商品開発計画 |
| D(実行) | 計画を実際に行う | 営業活動、製造、マーケティング展開 |
| C(検証) | 結果を計画と比較して分析 | 月次実績報告、差異分析 |
| A(改善) | 問題点を改善し次のPに反映 | 営業方法の見直し、工程改善 |
戦略目標の達成状況を測定するための重要業績評価指標です。 必ず測定可能で、目標期間内に達成可能な指標を設定することが重要です。
業界最高企業や競合他社のプロセス・パフォーマンスを基準として、自社を比較・改善する手法です。 外部ベンチマークと内部ベンチマークがあります。
「SWOT分析で戦略を立案する」→ ❌ SWOT自体は分析。戦略はTOWSマトリクスで導出。
「5フォースで消費者行動を分析」→ ❌ 消費者行動はPEST(社会)での分析。
「BCGマトリクスは成長率と絶対シェア」→ ❌ 相対的市場シェア(競合内での順位)が横軸。