収益性・安全性・効率性・株式指標の体系的な読み方
財務指標は企業の健康診断ツールです。「収益性」「安全性」「効率性」「成長性」という4つの視点から企業を評価できます。個々の指標を単体で見るのではなく、業界平均や時系列の変化と組み合わせて解釈することが重要です。
企業が株主から預かった資本をどれだけ効率よく利益に変えたかを示す指標です。
日本企業の平均は概ね5〜10%、欧米優良企業は15〜20%以上のケースも多い。ROEが高いほど株主への還元効率が高い。
企業が保有するすべての資産を使ってどれだけ効率よく利益を生み出したかを示します。
ROAを改善する典型的な施策:不採算事業の売却による総資産の圧縮、利益率改善による分子の増加。
事業に投下した資本(株主資本+有利子負債)に対してどれだけ利益を生み出したかを示します。WACCを上回るROICが「価値創造」の条件です。
利息・税金・減価償却前利益。資本構成や減価償却方針の違いを除いた「純粋な稼ぐ力」を比較するために使われます。
一般に200%以上が理想とされます。1年以内の支払い能力を測る基本指標です。
棚卸資産を除いた即時換金可能資産で流動負債を賄えるかを見ます。100%以上が目安。
事業の日常的な資金需要を示します。プラスであれば短期的な資金繰りに余裕がある状態です。
固定資産が長期的な資金源(自己資本+長期借入金)でまかなわれているかを示します。100%以下が健全とされます。
仕入れに支払った現金が、売上を通じて回収されるまでの日数。短いほど資金効率が良い。
CCCを短縮するには:売掛金の早期回収、在庫削減、買掛金支払サイトの延長が有効。
短縮施策:前払条件の強化、早期入金割引、請求業務の効率化。
買掛金回転日数を短縮(早く払う)するとCCCは悪化します。
保有資産を効率よく売上に変換できているかを示します。小売業は高く、製造業・重工業は低い傾向があります。
株価が1株当たり利益の何倍かを示します。高PERは成長期待が高いことを示す場合が多いですが、割高リスクもあります。
PBR=1倍が理論的な解散価値。1倍割れは「市場が帳簿価値以下と評価」していることを意味します。日本企業は長らく1倍割れが多い状況にありました。
企業買収の文脈でよく使われる指標。財務構造・減価償却方針の違いを超えて企業価値を比較できます。国際比較や業種間比較に有用です。
上昇は財務レバレッジの上昇を意味し、財務リスクが高まったと解釈されます。ただし適度なレバレッジはROEを高める効果があります。
ROEを「稼ぐ力(利益率)」「資産効率(回転率)」「財務構成(レバレッジ)」の3要素に分解することで、ROE改善の打ち手を特定できます。
借入(負債)を活用することで、自己資本に対する収益率(ROE)を高めることができます。借入コスト(金利)よりもROAが高い場合に正のレバレッジ効果が生じます。
外部資金調達なしで維持できる最大成長率。ROEを上げるか配当を絞ることで高められます。