株主資本・有利子負債・希薄化・自己株式・M&Aの会計処理
企業の資本政策は「誰からどのように資金を調達し、どのように株主に還元するか」を決定します。EPS(1株当たり利益)の管理・自己株式取得・社債発行・M&A後の会計処理(PPA・非支配株主持分)は、投資家が最も注目する財務戦略の要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資本金 | 株主からの払込資本のうち資本金として計上した額 |
| 資本剰余金 | 払込資本のうち資本金を超える部分(資本準備金等) |
| 利益剰余金 | 過去の税引後純利益の累計(配当控除後)。内部留保 |
| 自己株式 | 買い戻した自社株(純資産のマイナス項目) |
| OCI累計額 | 為替換算調整・年金数理差異等 |
企業が市場で自社株を買い戻す行為です。一般的な効果は以下の通りです:
社債は企業が資金調達のために発行する債券です。一般的に固定負債に分類されますが、1年以内に償還期限が到来するものは流動負債(1年内償還社債)に振り替えます。
返済期限が1年以内の借入金は流動負債に分類されます。D/Eレシオや流動比率の計算で正しく区分することが重要です。
希薄化とは、潜在的株式の存在により将来EPS が低下する可能性を指します。最も直接的な希薄化要因は新株発行です。
| 希薄化の原因 | 仕組み |
|---|---|
| 新株発行(増資) | 株式数増加でEPS低下(最も直接的) |
| ストックオプション行使 | 役員・従業員が株式を取得 → 株式数増加 |
| 転換社債(CB)の転換 | 社債が株式に転換 → 株式数増加 |
| 新株予約権の行使 | ワラント等の行使 → 株式数増加 |
潜在的な株式転換(ストックオプション・転換社債等)がすべて実行されたと仮定した場合のEPSです。代表的な潜在株式にはストックオプション(新株予約権)と転換社債があります。
転換社債が株式に転換されると、分母の株式数が増加します。一方、利息支払いがなくなるため分子の当期純利益は増加します。ネットの希薄化効果は相殺されることもありますが、一般的に希薄化後EPSは基本EPSを下回ります。
企業買収時に支払った対価(取得原価)を、被買収企業の識別可能な資産・負債の公正価値に配分するプロセスです。
PPAで新たに認識される無形資産の例:
子会社の純資産のうち、親会社に帰属しない部分(少数株主が保有する割合)です。IFRSでは連結貸借対照表の純資産(自己資本)の一部として表示します。
例:親会社が子会社の70%を保有している場合、残り30%が非支配株主持分です。連結PLの当期純利益は「親会社株主に帰属する当期純利益」と「非支配株主に帰属する当期純利益」に分けて開示されます。